コピー人間

ああ、書くことはたくさんあるのだが、いかんせん溜めすぎた。
こうも溜めすぎると、書く気が失せる。




気を取り直して書こう。





友達のサカーとはよく一緒にバスケをする。
サカーは中学の頃、やはり県でトップクラスのチームに属していたようで、とても上手だ。

そんなサカーは、よく
「ジキちゃんのバスケはきれいだよね」
と俺に言う。
たしかに、シュートフォームの綺麗さはしばしば指摘されたことのあった俺だが、サカーのこの言葉はお世辞だろうと思っていつも流していたのだ。

だが、毎回毎回言われるので、一体自分のバスケがどんなものなのだろうかと思い、ケータイのビデオカメラ機能を使って俺を映してもらった。




サカーに撮ってもらいながら、シュートをする俺。





そして、生まれて初めて自らのシュートフォームを見る俺。





うわぁ、兄貴そっくり。





本当に、兄貴そっくりのシュートフォームだった。

そればかりか、ドリブルも、レイアップシュートも…



思えば、バスケ部の無かった小学校の頃、俺にバスケを教えてくれたのは兄貴だったが…手の角度、ボールをドリブルする位置、レイアップシュートでボールを離すタイミング…まさかここまで精巧にコピーしていたとは。

少々ショックを受けた。
でもそれ以上に、なんか嬉しかった。
こんなに似てるってこと、もっと早く知ってればなあ。





そんな折、兄貴から久々に電話がかかってきた。
この日記で何度も書いているように、俺は兄貴とは疎遠だ。

どんな用件なのかを推測するのは容易く、その通りだった。




「俺、そろそろ結婚しようかと思ってなあ」

「うん。式はいつ挙げると？」

「来年の7月7日にしようと思っとる」

「一年後か」

「そうそう。で、その日は土曜日ばってんが〜、色々考えて、両方の家族だけ集めて海外でやろうと思っとる。だけんが〜、その前日の金曜日は仕事ば休んで移動日に当ててほしいと」

「ほお〜…一年後のことだけんなんとも言えんけど、一応上司に相談してみる」

「悪いな〜、頼んだ」



おめでとう、兄貴。

しかし、まさか7月7日に結婚式を挙げるつもりとは…



兄貴と婚約者は、現在もそうだが、結婚するまで遠距離恋愛である。
織姫と彦星ってか。



意外とロマンチストな兄貴。



ということは、俺もロマンチストかもしれぬ。

だって俺、コピー人間だしな！