ノー試験片ノー実験

(用語解説)

M2：修士課程二年生

幻のM3：修士課程は二年で修了すべきであるが、それができない場合はもう一年やるはめになる(修士課程三年生＝かなり恥ずかしい)



(現在の状況)

試験片を業者から取り寄せ、それをさらに加工して実験をする予定だが、試験片を自分で加工する際にことごとく試験片(単価5000円)が割れていくので、実験ができずにいる。
ぶっちゃけその加工は無理だろーと俺は思っているが、やらないと卒業できないのでやるしかない。
そんなこんなで憂鬱な日々を送っている。



(参考歌詞)

ノーヒットノーラン(BUMP OF CHICKEN)
ttp://musicfinder.yahoo.co.jp/bin/createlyricshtml?id=Y022697&aid=3207



―ノー試験片ノー実験―


物語の始まりはそう　単位のない僕らが主役
研究室の予算当てられて　期待を背負って
「頼むゼ我らがM2。今日はどうした、未だノー試験片ノー実験」

一番前で見てる教授の目　その想いは僕を焦らせて
高鳴る心の背中につかえる
ため息に勇気かき消されても「まかせろ」なんていう

だけど実験室からすぐ逃げたいよ　試験片できるかな　できなきゃ
ノー試験片ノー実験　幻のM3だって怯えるんだ

好きな時に好きなことをして時々休み
また適当に研究していた　それがいつの間にか
誰かに何か求められて　誰にも甘えられない

実験室からすぐ逃げたいよ　だけど僕はM2
ノー試験片ノー実験のままじゃ認められない
そんな僕は存在しちゃいけない

願わくば　怯える自分に逃げ場を与えてあげたい
願わくば　誇れる自分と安心と単位がほしい
ボクに何が残るんだろう？
臆病なボクにナニガデキルンダロウ？

試験片がまだ足りないよ
「ボクはM2」もっと思い込ませてくれ

物語の始まりはそう　単位の無い僕らが主役
再来週の研究会当てられて　期待を背負って
「頼むぜ我らがM2」
「まかせろ！！」と僕は胸を叩く

この手よ今は震えないで　試験装置よ試験片をちゃんと支えていて
圧子があたっても試験片壊れないように
帽子を深くかぶり直し　不敵に笑うM2

普通に生きてりゃ誰だって　プレゼンをする日は訪れる
そんな時誰でも臆病で　皆　腰の抜けた研究者

ノー試験片ノー実験　誰かにそれを知ってほしいから
「まかせろ！！」って僕は胸を叩く